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26 性格を表すことば

好奇心は旺盛でしたが、根気が無く、地道に努力することが不得意でした。さらに、気が小さいのに見栄っ張りで、先生方も扱いにくかったろうと、反省していますが、今では多くの方は鬼籍に入ってしまいましたから、謝ることが出来ません。
『されがまね』 「構わない」に強意の接頭語が付いたもので、一向に気に掛けないという意味です。表向きは他人からの注意にも強気に振る舞いって「されがまね」と強がりました。随分と使った言葉ですが、いまは年寄り語になってしまいました。
『さすけね』 差し支えがないが転訛して「さすけね」となりました。野球でエラーをした時に「さすけね さすけね」と仲間が励ましてくれます。ドンマイと同じ意味で、それだけで安心しました。しかし、一般的には妥協や言い訳をする時の言い訳に使いました。
『くらねー』「狂いない」が「くらねー」に転訛したと思われ、問題がないという意味です。負の感情ばかりでなく、謝った相手に対しても「くらねよ」と気に掛けないようにと応答します。この言葉もしばしば使いましたが、若い世代には通用しなくなりました。
『ぶんむぐれ』 「むくれる」は腹を立てることですが、接頭語がついてさらに怒気が強まります。親に注意されても言うことを聞かず、感情を抑えられず「ぶんむくれ」て晩御飯も食べずに寝てしまうことがあります。誰か起こしに来てくれないかと待っていますが、親は息子の下心を見抜いて声を掛けてくれません。
『てんじょつら』 天井面のことで、強気の態度で上を見て見栄を張っている態度です。また、得意がって必要以上に意気揚々としている状態のことにも使います。感情の起伏が多く、調子がいい時にはすぐ「てんじょつら」していい気になりました。
『なりぎに』 「成り行き」の転訛で、物事の流れに任せることです。「そだにゴッコとやんねで、なりぎにやんなせ(そんなにせっせとやらずに、ゆっくりやりなさい)」というように、根を詰めてやらなくても良いという意味で使いました。
『とせい』 渡世のことで、生活するための仕事のことですが、「渡世人」となれば博打(ばくち)打ちのことです。八溝の「とせい」は、生涯の生業とするよう精を込めて取り組むことの意味です。飽きっぽい性格でしたから「とせいにやれ」と𠮟られました。
『ぶしょったれ』 何事にも面倒くさがりであったから「ぶしょったれ」としばしば言われました。無精に「馬鹿たれ」などと同じ人を悪く言う「たれ」が付いたものです。
『あんけらかんけら』 あれやこれの意味で、色々と言い訳をすると、「あんけらかんけらよげなごとゆってんじゃね(あれこれ余計なことを言うな)」としかられました。褒め言葉で使うことはありませんでした。
『がおる』 調子がいいときには得意然としていながら、形勢が悪くなると直ぐに「我折る(がおる:しおたれる)」のが常でした。打たれ弱いのは今も同じです。

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