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農家を支える日々のなりわい

自転車の荷台に限定して使っていた。魚の行商をする赤松さんの荷掛は特別大きいもので、魚箱が3段くらいは載っていた。魚箱から塩水でしみ出ていたので赤く錆びていた。まだ、車社会の前であったから、「荷掛」は自転車にしか付いていなかったので、自転車のものに限定して使った。

にかけ

荷掛
動物や植物との関わり

正式名は「アブラハヤ」。「にがんべ」は食べると苦いので名前となった。小さな川でも魚種は豊富で、ふかんぼ(深み)には「ザコ」が泳ぎ、草の生えた淵にはナマズがいたり、蛇篭の中にはウナギもいた。1日1度は川に行かないと気が済まなかった。ただ、今はブロック擁壁で両岸が固められ、ふかんぼなく、川に行く子どもたちもいない。

にがんべ

地域を取り巻く様々な生活

カチカチになった身欠きニシンを米の磨ぎ汁で灰汁抜きをして、白湯で煮てから小さく切って味噌とともに油で炒めた。灰汁抜きをしないと渋い鰊味噌になる。味噌の中に砂糖が入っていれば、御飯のおかずでなくて、鰊味噌そのままで食べることが出来た。ニシンは田植え時期の畦で食う小時飯は、ゼンマイやタケノコの入った煮物もあって、格別の御馳走だった。なお、八溝では、ニシンは身欠きニシンのこと、カドは生のもので、時にカドの子が入っていたりしたものを言う。町に行った折りに、鮮魚店で干物でないカドを買ってきた。美味しくて、焼いたものを細かい骨まで食べた。八溝地区の戦後の魚の代表はカチカチのニシンであった。

にしんみそ

鰊味噌
生活の基本 衣と食と住

1日2食のこと。「食:じき」は食べ物の回数を数える単位である。もともと日本人は2食の生活がベースで、中間に「小時飯」を食べた。今の「にじき」は、昼食抜きのことを言うことが多い。食を「じき」というのは、「断食」などに使う古い言葉であるが、今は聞かれない。自分では、年を取ってきたので2食で十分であると思っているが、なかなか実行出来ないで、カロリー摂取がオーバーになっている。

にじき

二食
感情を表すことば

共通語では、真似をするとか偽物を作ることなどを言うが、当地方では「ぴったり合う」と言う意味で使う。服を新調する時、少し大きめのものを買うことになっているので、どうしても袖や裾が長すぎて「にせ」なかった。新しい服が他の仲間の注目となっていたから、いかにも買ったばかりと思われるのが恥ずかしくて、わざと汚れを作ることもあった。

にせる

似せる
農家を支える日々のなりわい

新盆(にゅうぼん)を迎えた家で、仏様が間違えずに戻ってくるようにとの目印のため高い灯籠を立てる。杉の丸太の上に青竹を継ぎ、そこに 新盆の転訛、「あらぼん」ともいう。中学生になって英語を習って、新しいがNewであることを知り、新盆がなぜ「にゅうぼん」なのか真剣に考えたことがある。特別の盆飾りを造り、親戚から送られた座敷一杯の提灯が並べた。

にゅうぼん

新盆
生活の基本 衣と食と住

「煮立つ」の転。「niitatu」と連母音であるから、母音1つが欠落し、長音化、さらに濁音となったもの。わらべ歌では「あぶく立った煮え立った」とある。竃に掛けた鍔釜(つばがま)で御飯を炊く時には、「にーだった」頃合を測り、火の調整をする。薪を掻き出して余熱でもってふっくらと仕上げをする。4年生の頃からは飯炊きの仕事が当番であった。登山やキャンプ指導でどれほど役立ったことか。

にーだつ

煮立つ
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