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挨拶語 敬語 つなぐ言葉など

感動詞として、相手の言葉を受けて、肯定したり疑問に思ったりする時に使う。「どうしたらよがんべ」と聞かれれば、即答しないで「そうさな」という。断る時など柔らかく表現するのにふさわしい言葉である。また、「そーさな、9時までには終わっぺ」と、断定するまでには行かないが、確信に近い心情を表現することもある。

そうさな

感情を表すことば

標準語では「そんなに」。「そだに食ったらげー(害)だぞ」と制止される。「そだに」の入る文脈には否定の意味が込められている。「そだに悪ぐいうごとながっぺ(そんなに悪くいうことないだろう)」など、今でもさまざまな場面で使っている。

そだに

感情を表すことば

「そんなつまらないこと」の意味。「まだ、そだらごど言って」とか「そだらごじゃっぺかだって(語って)」と言われる。「そだらごと」の中には否定的な感情が込められ、最後まで言わなくても意志が通じる。

そだらごと

挨拶語 敬語 つなぐ言葉など

「そうだけれど」の変化したもの。反論する時に、「そんだきっと」と言い訳をする。素直でなかったことから、この言葉を多用した。

そだ(ん)きっと

動物や植物との関わり

サツマが腐ってしまうこと。サツマ以外では使わない。新しく移入された作物なので、外部からの言葉と思われるが、語源は「損じる」か。 土の中に埋(い)けておくが、寒さによる凍害、さらには熱を持ちすぎて腐れることもある。種芋の年越しが難しかったから、年季の入った婆ちゃんの管理であった。

そちる

感情を表すことば

「そっくり」の変化。似ていることにも使うし、「そっくりそのまま」の意味にも使う。「そっくら移すべ」と、あるもの全部を移すことになる。今は60代以上の言葉となってしまった。

そっくら

体の名称と病気やけが

「そっくりげーる」ともいう。「あそごの婆ちゃんはそっつるげって(後傾で)歩いでっと」と話題にした。 姿勢ばかりではないく、物が後ろに傾いていることに広く使った。子どもの頃だから、威張って「そっつりげってる」という人柄のことまでは話題にはならなかった。

そっつりげーる

生活の基本 衣と食と住

家の中にある上便所(うわべんじょ)は年寄り夫婦だけが使うもので、それ以外は者は庭の隅にある「おんこば」を使った。糞尿は肥料として重要であったから、汲み取り作業の効率の良い場所にあった。その後、外便所には風で回る臭気除去のためのファンが付き、下から押すと水が出る手洗いもぶら下がった。しかし電灯はなく、雨の夜は外に出るのが嫌で、そっと雨戸の隙間から思い切って腰を前に出して、敷居を濡らさないように、しかも音がしないよう注意しながら縁側で用を足した。梅雨時には軒下に青のろ(こけ)が生えた。今でも腰に手を当てて小用を足すのは子どものころからの習慣で、多くの人が居る所でもつい腰に手を当て用を足していて、気づいて慌てて前に手を移動させる。

そとべんじょ

外便所
挨拶語 敬語 つなぐ言葉など

「その代り」の意味だが、標準語とはニュアンスが違い、逆接的な意味は弱く、単純接続の「そんじゃ」にも近い感じがする。「そのかし、こんだは俺のほでやっからよ(それじゃ、今度は俺の方でやるからさ)」となる。いろんな場面で多用した。今の若い人たちにはこのニュアンスが通じないだろう。

そのかし

子どもの世界と遊び

広辞苑には、『枕草子』などの用例を引き、「ふざける、甘える」とあり、「動物がじゃれる」ともある。当地方では、子供がいつまでも乳離れしないとか、親の後を追っているような時に「そばえてる」という。「いつまでもそばえてんじゃね(いつまでも甘えてるんじゃない)」と突き放される。農事に多忙な母親にはいつまでもそばえていられなかった。その分、兄弟が助け合い、子供同士で集団を作り、早くに社会性を身に付けることが出来た。「そばえる」は「そべーる」と使われ、標準語とは少し意味が違いながら古語としての雰囲気を残している。

そばえる

戯える
感情を表すことば

「それこそ」の転。子どもの頃に「それこそ」はほとんど使ったことがない。「それごさ」の方が意味が強い感じがする。「それごさ大変だ」と、もうこれ以上ないほどの強調を表す。

それごさ

挨拶語 敬語 つなぐ言葉など

「そうするというと」の音変化。さらに「そうするちゅーと」にもなる。地元出身の先生は、授業の中で「そーするちゅーと」と盛んに使っていた。算数の苦手な私には「なんちゅったって(何と言ったって)わがんながった(わからなかった)」。懐かしい言葉である。

そーするっつーと

体の名称と病気やけが

メンソールなど、すがすがしさを感じる時の嗅覚や触覚を表現する。風邪の時に、詰まっていた「鼻めど」にメンタムを着けると、「そーそ」して気持ちよかった。野にある薄荷(はっか)を揉んで臭いをかぐと、やはり「そーそ」した。

そーそ

感情を表すことば

標準語「ぞうさない」の変化したもの。簡単に片付けることが出来ること。「なーに、そだごどぞーさねよ(なに、そんなことは簡単だよ)」と引き受ける。「ぞうさねー」と引き受けながら、後で後悔するのは子どもの頃からの習慣である。

ぞーさねー

造作ねー
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