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感情を表すことば

「むごっぱら」とも。やたらと怒りたくなる感情。「むがっぱらたてる」という使い方をし、文字どおり立腹することである。子ども同士ではしばしば「おらおもしかねんだよ(俺おもしろくない:気にくわない)」と言って、我慢が出来ず、「むがっぱらたて」て喧嘩になる。やたらと、分けもなく「むがっぱら」が立つ年頃があった。

むがっぱら

向う腹
子どもの世界と遊び

大小便を漏らすこと。「もぐす」とも。まだ漏らす前に「むぐったくなる」とい言い方をする。「でんむぐる」は「出むぐる」の転訛で、意味が強まり、少々の量でない大便を漏らしたことになる。自分の意志ではどうにもならない。

むぐす

体の名称と病気やけが

「むくる」の濁音化。広辞苑にも「めくる」「はがし取る」とある。朝寝坊をしていると、蒲団をむぐられる。中学生になると、陰茎が今までの包茎から大人の姿になる。「むぐれる」のである。「むぐれ」たかどうか、お互いが気にしていて、勉強どころではなかった。

むぐる

感情を表すことば

ふてくされること。怒るというよりも、気分を悪くしてへそが曲がる心理状態の時に使う。さらに「ぶんむぐれる」と接頭語付けて意味を強めることがある。こうなっては気分を直すのに時間が掛る。

むぐれる

動物や植物との関わり

タヌキのこと。かつては狸(たぬき)と狢(むじな)で裁判沙汰になったということを聞いていた。狸は狩猟禁止であっても、狢は含まれないと思って捕獲して訴えられたという。狢と狸が別種であるとの認識であったので、故意でないことから無罪になったという。方言による思わぬ間違いから最高裁で係争された事件である。「同じ穴のむじな」と言っていたが、言葉だけ残って、昔話も「タヌキ」で、八溝でもムジナでなくタヌキになった。

むじな

感情を表すことば

「もじゃっぺなし」ともいう。丁寧さに欠けることや、また強引であることの意味。学校の工作で紙を切る時にも「むじゃっぺなし」に切って、糊で貼ろうとすると右と左が合わなくて苦労する。何かに付け配慮が足りず、丁寧さに欠け「むじゃっぺなし」にする性格だった。後々、人間関係にも影響した。

むじゃっぺなし

感情を表すことば

標準語は「くすぐったい」。猫じゃらしで友だちの首っ玉をなでるのも「むすぐる」である。ずっと「むすぐったい」が標準語と思っていた。八溝地区でも今は「くすぐったい」が主流になりつつある。「むすぐったい」方が感覚的に合致するよう気がする。

むすぐったい

感情を表すことば

長持ちする意。固くて黒い一里飴(あめ)は特に「むそ」かった。仕事の面でなかなか終わらないと「むせーな」と言った。お説教が長い時には「今日の先生の話はむそかったな」と子供たちの世迷い言になった。今は使い捨てが多くなり、道具を「むそく」使うこともなくなり、「むそい」も死語となった。

むそい

子どもの世界と遊び

漏ること。水が漏ることばかりでなく、大小便が漏ることも言う。「おんこむっちゃいそうだ(大便が出てしまいそうだ)」と慌てておんこば(便所)に走る。八溝の山村の生活には、様々な場面で「むる」ことが多く、それへの対応も自然に身に付いた。

むる

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